30年ほど前にベストセラーになった「ザゴール」という黄色の分厚い小説(500ページくらい)をご存じでしょうか?
今現在も製造業で数多く「利益」を生む理論とされている生産性向上の一つです。
まあ偉い人がいたもんだなと感心させられました。(物理学の博士であるエリヤフ・ゴールドラット氏)
わかりやすく解説すると、血管が詰まると不健康になるように、工場の生産の流れも詰まってしまうと
どんどん流れが悪くなり(制約を受ける)在庫が溜り、完成品が出ない、そして納期が遅れてしまう という
ことになって、最終的目標である「利益」が出ないよ!というものです。
制約を受ける工程を「ボトルネック」といい、工場全体はその「ボトルネック」の制約を受けるという理論です。
なので、例えば新型機械を入れて、その機械だけを捉えて「生産効率」が上がったとしても、
ボトルネックの工程によって、制約されてしまうのです。むしろ、新型機械は稼働率が高いのでどんどん
生産して流していくのですが、ボトルネックの工程の前には、あらら・・・仕掛品の山・・ということになるのです。
何のために新型機械を入れたのやら・・・ということです。生産工場では、全体を最適化させないと
全く儲からないのです。そんな生産性向上の小説なんです。凄いですね。
実は、この理論を導入して利益をバッチリ上げている会社(工場)がたくさんあるのです。
実務はそう甘くはないのですが、とにかくリードタイムを短縮して出荷を増やし、納期を死守し、
キャッシュにいち早く変えることこそが、企業の目標「利益」を上げるということなんですね。